世の中はお疲れぎみの印象ですので、頗るバブリーな作品について。 これがリリースされた1991年といえば、日本ではバブルの崩壊が始まった年ですが... "プラネット3" というユニットのアルバムです。原題は長いですが、邦題はシンプルに「プラネット3」。 メンバーは、 ジェイ・グレイドン(ギター、キーボード) グレン・バラード(キーボード) クリフ・マグネス(ボーカル、キーボード) 3人とも裏方の作曲・プロデュース・スタジオミュージシャンとして見事な経歴を持っていますが、細かい釣書は... 興味があったら検索してみてください(笑)。ともかく、これはそんな売れ売れのソングライター3人が寄ってたかって作った美メロ満載の傑作ハードポップです。*ハードロックではないとこがミソですね。 こちら(↑)は、チャーリー・シーン主演映画『ネイビー・シールズ』で使用されたパワーバラード「I Don't Want To Say Goodnight」。 (↑)の「I Will Be Loving You」は、発売当時リーバイスのCMで使われていました。聴いたことある!という方も多いのではないでしょうか。 因みに、以下は2002年のリイシュー盤。こちらには上述の「I Will Be Loving You」は未収録。代わりに「Dreamers」という曲が入っています。 ではまた 12/16/2014
私的アルバム・オブ・ジ・イヤー(2014年)
年末になると雑誌などでよくやってるアレの個人版(通称オレミー賞)。
師走。ひとりこの選考に興じる音楽ファンは結構多いはず。 この作業をすると、今年は米国ものが多いなとか、ジャズが無いなとか、一見どうでもよさそうで本当にどうでもよいことを色々と総括できます。 こういうのが楽しいっていう人も周りではめっきり減りましたが、1990年代は、年末に友達と音楽雑誌を持ち寄って、今年は何が良かったとか、何がダメだったとか、そういう話で盛り上がっていました。 最近は音楽の話題といっても、音楽が売れない理由とか、どうしたら売れるかとか、そんな話が多いような気がします。 僕はもっと音楽そのものの話がしたいなと。 という思いも込めましての、今年のお気に入り15枚です。 ジャンルは色々。アルファベット順です。
会場全体が温かで優しい空気で満ちあふれた、そこにいる全ての人が一体となっているかのような、稀に見る素晴らしいライブだったと思います。
何しろお客さんたちが素晴らしい。絶妙なタイミングで喝采と歓声を捧げ、ステージを盛り上げます。客席から御大ボブ・ディランを支え、可能な限り最高のパフォーマンスをして貰おうという清々しい気構えを持ったファンが大勢いるように感じました。恐らく、どこでどう間の手を入れれば盛り上がるのかを熟知しているであろうコアなファンの方々が、あちらこちらで先導していたのでしょう。 ボブ・ディランもそんな客席の雰囲気に全力で答えようとしているようでした。ドスッと重く響く深い声で、丁寧に丁寧に言葉を紡いでいく。歌とも朗読とも言えぬ、往年の歌唱とは全く異なる老齢にしてこそ可能となったスタイル。声について「嗄れた(しわがれた)」という表現がありますが、顔のシワにその人の人生が刻まれているように、御大の声にもまた彼の人生が刻まれており、その偉大なる足跡が音となって会場中に降り注いでるかのようでもありました。 そして、カントリー, ウエストコースト・ロック を基調とし、時にスワンプし、時にジャージーに極上のアンサンブルを奏でるバンドの面々。時折、御大の顔を覗き込むように気にかけながら演奏している様子の微笑ましさ。そんなバンドメンバーたちのボブ・ディランに対する有り余る敬意と思いやりが表れているかのような温もりのあるサウンド。何とも言えず心地よく穏やかな気持ちにさせられました。勿論、それはPAのエンジニアリングが素晴らしかったということでもあるでしょう。バンドの音はやや控えめに、御大の声やハーモニカを盛大にフューチャーした音作りも絶妙でした。 具体的なライブの内容については、菅野ヘッケル氏によるライブレポートを読んでいただいた方が良いと思います。ボブ・ディランのライブを数えきれない程体験した氏をして「奇跡だ」と言わしめる場面がいくつもあったようです。そして、「今夜は最高の夜になった。」「今夜のコンサートは、記憶に残る一夜だった。」とも。全くその通りだと思います。 “ボブ・ディラン 2014年4月7日 Zepp DiverCity第6夜ライヴレポート by菅野ヘッケル” 今後、「今までで一番良かったライブは?」と聞かれたら、『2014年のボブ・ディラン!』と言うことになるかもしれません。
オススメの本↓
「グリニッチヴィレッジの青春」著:スージー・ロトロ, 翻訳:菅野 ヘッケル
先日、『愛を弾く女』というおフランス映画を十数年ぶりに再観しました際、以前は何となく聞き流していたサウンドトラックに耳を奪われました。エマニュエル・べアール演じるカミーユというヴァイオリン奏者とその仲間たちが演奏している音楽が、どれもとんでもなく素晴らしいなと。
ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、のトリオで奏でられる楽曲群。ノスタルジックでありながら、現代音楽的な冷ややかさもあり、分かり易いかと思えば破天荒。ゆったりとして心地よいかと思えばスリリングに迫って来もする! こいつはヤバイぜ!! 早速、Amazon でサウンドトラック盤を探してみますと、あっさりと見つかりましたが、サブタイトルに「ラヴェル 室内楽作品集」とあり、ここで初めてクラシック音楽であることを認識した次第です。映画の中で言ってたような気もするけど... ハハ なーんだ、ラヴェルって有名じゃん! さて、クラシック音楽であれば、より良い形でそれらが収められているアルバムが他にある筈。というのは、「CDの買い方マニュアル」に書いてありますので(嘘)、当然のようにそれを探してみましたところ、ございました。 『ラヴェル:室内楽作品集&ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ』
録音:1973年, ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン), ジャック・ルヴィエ(ピアノ), フィリップ・ミュレ(チェロ)
サウンドトラック盤に収録されている全曲プラスαの2枚組!しかも、演奏者はサウンドトラック盤と同じ方々。 『愛を弾く女 - デラックス・エディション』と言っても過言ではない充実の内容となっております。 〜愛を弾く女 - 予告編〜 尚、映画の方も、個人的に心の名作です。 まだご覧になっていない方は、是非。
19年も前に買ったCD。。随分と久しぶりに聴いてみて、あらためて凄くいいなと思いました。 もはや記憶が定かではないのですが、クロスビートという洋楽ロック雑誌で褒められていたのを見て買ったのだろうと思います。詳細はネットで検索、なんてことを自分はまだしていなかった当時ですので、得体が知れない存在のまま、聴いていました。そんなCD山ほどあります。あの頃は、海外インディーズの輸入盤なら、それが普通でした。 でも、今日、あらためて検索。 オフィシャルサイト的なものは見当たらないものの、Wikipedia でいとも簡単にディスコグラフィーもバイオグラフィーも掴めてしまいます。あまりの容易さに、泣けてきます。本人たちが運営しているらしいFacebookページもあります。SoundCloudもあります。 (こんなご時世。ライナーノーツなんて... と言いたくなる気持ちも良からなくはないですね。。) オーストラリアのチェンバーポップバンド。所謂ギターポップ系と言った方が話が早いかも(1stはラフトレードから出てるし)。曲調は全体的にメロウで、歌声は幾分渋く、でも爽やか。サウンドはカラッと軽快。とにもかくにもグッドメロディー。 1995年の3rd。2010年にリマスター再発されています。 オススメデス。 2/4/2014
NPR MUSIC TINY DESK CONCERTアメリカの『NPR(旧称:ナショナル・パブリック・ラジオ)』が公開しているライブ動画はどれも凄くいいけど、中でも特に好きなのが「Tiny Desk Concert」というシリーズ。 NPRのオフィスで収録されたアットホームで心温まるアコースティック・セッションの数々。大御所や超有名どころから、新人・インディーズ系まで幅広く出演。ジャンルも様々。でも、普段はエレクトリックなアーティストも、ここではしっかりアコ系になる。 現時点で180本程アップされており、保存版にしておきたいセッションが山盛り。 Lyle Lovett Adele The Swell Season(Glen Hansard & Marketa Irglova) Horse Feathers ... でもやっぱり、生で聴きたいが。。 10/21/2013
ANE BRUN『Rarities』 ノルウェー出身・ストックホルム在住の歌手 “Ane Brun(アーネ・ブルン)”の新作は、アコースティックなカバー曲集。 アンサンブルが凝っていた前作 “It All Starts With One" とは打って変わって、極めてシンプルでフォーキーな作品となっています。 ここ数年、歌い手としての貫禄がドッシリと付いて来た感じがする彼女だけに、新作は更に壮大な作品になるのではないかと予想しておりました。故に少々意外だったのですが、しかし、これが素晴らしく良い。 早速、本年度の私的ベストアルバムとして推させていただきます。 アウトトラック等を集めたボーナスディスクが付いており、ボリューム感も満点です。 カバー曲集ということで、オリジナルは誰か等々、色々と気になってくるわけですが、ブックレットには作曲者名程度しか情報が載っておりません。 仕方が無いので、ネットで色々調べました。結果は下記のとおり。 ―Disc 1ー
―Disc 2ー
数少ないであろう日本のAne Brunフリークの皆様… … ひとりじゃないよ。 9/18/2013
DONAVON FRANKENREITER のレア盤2枚Donavon Frankenreiter(ドノヴァン・フランケンレイター)は、2004年にジャック・ジョンソン主宰のレーベルからデビューする前年(2003年)、2枚のインディーズ盤をリリースしています。 オーガニックなサーフ系のアコーステュック・ミュージック(要するにジャック・ジョンソン系)として理想的、とも言える素晴らしい作品です。 1枚目 ↓ Title : DONAVON Frankenreiter こちらは7曲入りの弾き語りEP。歌、アコギ、ベース、というシンプルな構成。チープな紙ジャケにCD直封入。 裏面 ↓ レーベル名が見当たらないので、DIY(自主制作)盤なのかも。ブッキング・マネージメント のクレジットは、Partisan Arts 。 - 曲目 -
盤面 ↓ 2枚目 ↓ Title : Donavon Frankenreiter Band こちらはバンド名義での10曲入りフルアルバム。同じくチープな紙ジャケにCD直封入。飾りすぎない風通しの良いアンサンブルは、正しくオーガニックな心地よさ。私的には、心の名盤です。 裏面 ↓ レーベル・クレジットは DND Music。URLが本人のサイトなので、自主レーベルかな… ブッキング・マネージメントは MADISON HOUSE INC、となっています。 - 曲目 -
盤面 ↓ 以上。自慢でした。
8/8/2013
KEV HOPPER『Stolen Jewels』色々な音や声をやりたい放題にコラージュしたフェティッシュで奇妙なサンプリング・ミュージックの大傑作。 しかし、ケヴ・ホッパー氏曰く the album did not sell well(あまり売れなかった) *出典:オフィシャルHP(← のサイトは閉鎖されしまった模様、2015,09.10追記). …。 印象的なフレーズもあり、リズムのあるロックとしても成立しているものの、どうにも奇怪な印象。 でも、そこがたまらない。 シングルカットされた7曲目”The Sound of Gyroscopes”なんかは割とポップだと思うけど… ヤン・ シュヴァンクマイエル風味のペット・ショップ・ボーイズって感じで(意味不明)。 CDは廃盤ですが、ご本人のサイト(www.spoombung.co.uk)で、本作を含め、ケヴ・ホッパー氏の諸作がなんと無料配信中です。*← のサイトは閉鎖されしまった模様、2015,09.10追記. 8/6/2013
GASTR DEL SOL『Mirror Repair』
ポストロックって括りはまだ無かった頃。音響系という言い方すらあったか無かったかって頃。
幽霊が演奏しているかのような、妖しく、ヘンタイ性を強烈に感じるサウンド。
お盆にの夜、ご先祖様をお迎えする際のBGMに、是非。
1994年の作品。 |
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12月 2023
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6/18/2015