某日。三ノ輪の浄閑寺を尋ねました。2年ぶり。2回目。 僕が浄閑寺に興味を持ったきっかけは、市川雷蔵主演の眠狂四郎シリーズでした。風来坊の眠狂四郎ですが、彼が塒(ねぐら)としているのが"浄閑寺"だという設定になっています。 『浅草か。俺の住まいも吉原裏の浄閑寺だ。 ー 眠狂四郎(市川雷蔵) 』眠狂四郎人肌蜘蛛 / 1968年 日比谷線の三ノ輪駅(北口)から徒歩1分程度。見た感じは普通のお寺さんです。 『この寺は投げ込み寺といってね。吉原の遊女が病死した者、心中した者を葬ってあるんだ。ー 眠狂四郎(市川雷蔵) 』眠狂四郎勝負 / 1964年 眠様が仰ったとおり、ここが遊女が葬られる「投込寺(なげこみでら)」であったことが記されています。「生まれては苦界、死しては浄閑寺」... いきなり悲しい。 『お経も読まず、お墓も無くて、ただお金二百文を添えてこのお寺へ送って、惣墓(そうばか)って言う、穴の中に投げ込むんです。ー つや(高田美和)』眠狂四郎勝負 / 1964年 その"惣墓(そうばか)"を改修して建立された「新吉原総霊塔」が下の写真。 『その墓は、貧しい遊女たちが、病気や心中で死んだ時、銭二百文を添えて、その亡骸を穴の中へ放り込む。そういう命の印の無縁仏だ。 ー 眠狂四郎(市川雷蔵) 』眠狂四郎多情剣 / 1966年 浄閑寺のホームページには、ここに推定2万5千人が眠っていると書かれています。病気で亡くなった遊女ばかりではなく、災害で亡くなった方、又、遊女の子や遊郭関係の方も含まれているようです。 『惨い事だあ。ー 朝比奈伊織(加藤嘉)』眠狂四郎勝負 / 1964年 浄閑寺を出て斜め右手にある通り。スカイツリーが見えます。 遊女たちの悲しい末路に思いを馳せて沈んだ気持ちも、青空にそび立つスカイツリーを眺めれば、少しは晴れるかもしれません。ま、所詮は逃避でしかありませんが...。 だったら行くなよ〜という声も聞こえてきそうですが、もし、浄閑寺へ行くならば、晴れの日がお勧めです。 都電荒川線の三ノ輪橋停留所からも歩いて直ぐ。
『いい加減に帰ったらどうだ!?...。酔狂な!三ノ輪の浄閑寺は遠いぞ!ー 眠狂四郎(市川雷蔵) 』眠狂四郎勝負 / 1964年 今では駅近です。眠様。 コメントの受け付けは終了しました。
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7/2/2015